点訳資料 9 「星」点訳様式 楽譜点訳の会「星」 2002年10月19日 2011年6月11日改訂 【1.装丁】 表紙、目次等についての下記事項は、点訳上の目安として用いて下さい。 表 紙 (1)枠  上枠はレ、下枠はレ下がりを32個打つ。  *上枠は2行目以降、記載事項の多少により、全体のバランスを考えて何行目にするか決める。 (2)枠内に記す事項  枠内には、原本表紙に書かれている内容を記す。 1.メインタイトル 2.サブタイトル 3.作曲者・作品番号 4.訳者・編集者等(入りきらないときは、副表紙に記す) 5.出版社名 *1〜4は行あけ無しで記しても構わないが、4と5の間は最低1行あける。 1〜4の記載順は、原本によって異なって良い。 上枠と1の間、5と下枠はあけ無しで記す。 (3)枠外に記す事項  枠外には、点訳本としての情報を記す。 1.当該巻数 2.全巻数(レ下がり括弧で囲む) 3.楽譜点訳の会「星」 *3は、上2行、下1行あけて記すことが望ましい。 (4)レイアウト 縦・横とも全体的なバランスを考慮し、行あけは適宜行い、左右は原則としてセンタリングとする。 項目が長いときは両側2マスあけた範囲で記し、改行は2マス下げる。 副表紙 (1)副表紙が必要なケース 1.記載すべき事項が多く、表紙に入りきらない場合。 2.複数の言語で書かれ、且つその内容が多い場合、表紙には1ヶ国語のみで必要事項を記し、それ以外は副表紙に記す。 (2)レイアウト 3マス目より書き始め、改行は1マス目から。 センタリングはしない。 ページ付け (1)楽譜部分以外の点訳ページの付け方 1.表紙・副表紙・活字書奥付・点字書奥付にはページは付けない。 2.楽譜に入る前の目次・点訳凡例・序文・解説等は、すべて下がり数字で通しページを付ける。 原本で序文・まえがきなどが目次の前に書かれていて も、目次を最初に置く。 3.楽譜の後に入る歌詞・解説等は、楽譜に続けてページを付ける。 (2)18行両面打ちの原本ページの付け方  両面打ちの場合、裏面(偶数ページ)のページ行は点字出力した際出ないので、 表面(奇数ページ)に裏面の分の原本ページも入れる。   *「柱」が立つ場合、この作業は柱の人が全曲つなげた後に行うので、点訳者はページごとの原本ページ記載のみ行う。 目 次 1.目次・INHALT・INDICE・CONTENT等は、7マス目から記す。 2.一番小さな見出し語(曲名など)を1マス目に記し、序列に従って3、5、7マス目と書き出し位置を変える。 3.見出し語の後1マスあけて2の点を27マス目まで打ち、1マスあけて29マス目にページ(数符)を入れる。数符が同じ位置にあるようにする。見出し語と数符の間が4マス〜2マスしか空いていないときは、2の点を省いて数符を記す。 見出し語は26マス目までとし、改行は2マス下げる。 4.見出し語が複数の言語で書かれている場合などは必要なものを選択して入れる。 必要に応じて言語別に作っても良い。 5.点訳巻数が2巻以上になる場合は、全巻目次を第1巻目に入れる。 全巻目次は 第1巻目次のあと、行あけ無しで中央に仕切り線(2・5を12マス)を入れ、1行あけて各巻の目次を入れる。全巻目次は見出しのみで良い。 6.原本に目次がない場合でも、分かりやすくするため点訳者が目次を付けても良い。 点訳凡例   点訳凡例は基本的に必要である。   目次の後、ページを改め、下記事項を必要に応じて明記する。目次と凡例が1ページで収まる場合、目次の下に仕切り線を入れて凡例を記しても良い。 1.ジャンルによる必要事項 ピアノ:ライン・オーバー・ライン方式を使用していること。 声 楽:「譜割りについて」に関すること。 など。 2.和音   ・音程法か音符法1かの別   ・基準音の取り方 3.「楽譜点訳の基礎」に載っていない記号、及びその点字楽譜のために作った記号 4.原本から省略した事項 5.パート名・役名が多い場合それらの省略の仕方(楽譜内に注で入れても良い) 6.その他、その点字楽譜を読むために必要と思われること。 活字書奥付 所定の書式に準じて必要事項を記載する。 点字書奥付 1.所定の書式に準じて必要事項を記載する。 2.書名には、外国語書名の場合、日本語訳書名も記す。日本語訳書名は出版準備作業票に記された書名に基づいて記す。 3.書名には点訳書の何巻であるかを記し、パート譜であればその旨を記す。 4.発行日は、校正完了日とする。 * 両面打ちの場合、副表紙・目次・凡例・解説等・楽譜・活字書奥付は必ず表面 (奇数ページ)から打ち始めること。 【2.文章表記】 解説文等のレイアウト ・見出しは小さいものから、5、7、9、11マス目と書き出し位置を変える。   改行は前の行から2マス下げる。 *見出しはセンタリングしないこと。 文章中の楽譜の表記 (1)日本語文章中の場合 1.ヨ記号(3・4・5の点)に続けて書かれる記号(スタッカートなど)、 標語(f ・ mf ・ rit. ・ dim. ・ accel.. など)は、言葉のあと1マスあけて、ヨ記号の前に楽譜の前置符(6の点+3の点)を付けて記し、2マスあけて続きの文章を書く。   これらのうち標語は楽譜の前置符およびヨ記号無しで外字符を用いて記しても良い。(この場合のピリオドは3の点ではなく2・5・6の点)    楽譜の前置符を用いるか外字符を用いるかは、その一冊を通して統一することが望ましい。 2.発想用語(Allegro ・ dolce ・ leggiero など)は、外国語引用符(外引符)で囲む。 3.変化記号(#・♭など)、拍子記号(4/4・Cなど)、速度記号(♪=96 など)、 奏法に関する記号(スタッカート・テヌート・フェルマータなど)や、単独の音符・旋律は、 言葉のあと1マスあけて楽譜の前置符に続けて記号や音符を記し、2マスあけて続きの文章を書く。 これらの記号は必要に応じて言葉に読み変えて記してもよい。  4.独立して書かれている譜例や複数段譜は行を変えて記す。   単旋律の場合 ・3マス目から楽譜の前置符に続けて、調子・拍子記号を記し1マスあけて音符を記す。  改行は1マス目とする。必要に応じて音部記号を記す場合は調子・拍子記号の前に記す。 ・調子・拍子記号は5マス目に出しても良いが、その場合は、楽譜の前置符は不要。  複数段譜の場合 ・調子・拍子記号を5マス目に出して記し、次行1マス目から手記号あるいはパート名、楽器名を記し、以下それぞれの楽譜の書き方に準じて記す。 ・調子・拍子記号が記されていない場合、楽譜の前置符や音部記号を1マス目から記して楽譜であることを明らかにする。  5.楽譜の前置符がついた音符・記号・譜例等に続く読点、句点は誤読の可能性があるので省略する。 (2)外国語文章中の場合 ・発想用語は外引符を付けずそのまま記す。 (但し、コーテーションマークとしての 2・3・6の点と3・5・6の点は必要) ・そのほかは、日本語文章中の記し方に準ずる。 日本語文章中の外国語の表記 1.単語及び文章のみ外引符で囲む。 2.単独アルファベット、略語は外字符を付ける。 * 声楽曲の歌詞表記もこれらに準ずる。 外国語文の書き方 1.大文字符は、英語は6の点を、英語以外は4・6の点を用いる。 何語か不明の場合は4・6の点を用いる。 2.アクセント表記はそれぞれの言語の表記法を用いる。 表記法不明の文字には4の点を前置する。 3.文章記号(ピリオド、疑問符、感嘆符等)は英語の書き方に準ずる。 4.生没年等数字が続く場合は次のように表記する。 (例)1850〜1899 (ハイフン後の数字には数符をつけない) 5.外国語文中でも次の場合には字符(5・6)を用いる。 ・単独アルファベット ・数字+アルファベットの組み合わせ ・小文字のローマ数字 但し、楽譜内における表記には不要。 詞の表記 1.曲の終わった後に歌詞を入れる場合、曲と歌詞の間に中央仕切り線を入れて、 次の行から歌詞を書く。 2.題名は7マスまたは5マス目より書き始める。 3.題名と詞の間は行あけ無しで記す。 4.詞は原則3マス目より書き始め、改行は5マス目とする。 その他 (1)日本語文と外国語文での表記の違い 1.生没年等数字が続く場合 (例)1850〜1899 日)波線(3・6+3・6)の後数符つき数字 外)ハイフン(3・6)の後数符なし数字 2.コロン 日)2マス空けに替える 外)2・5の点 3.コーテーションマーク 日) 第2カギ(5・6+3と6+2・3)    但し、外引符で囲まれた中では 2・3・6の点と3・5・6の点。 外引符と重なってもよい。) 外)(2・3・6の点と3・5・6の点) 4.注記号(文中に 3・4・5+2・6+3・5 は使わない) 日)(5・6+2・3)文字の後マスあけなしで 外)(3・5+3・5)文字の後1マスあけで 注に番号が付く場合 日)(5・6の点+数符1+2・3の点) 外)(3・5+3・5+数符1) (2)作品番号の表記  アルファベットと数字の間は1マスあけて記す。 (3)文章中での音名の表記 1.変化記号を伴うとき (例)C#    日)外字符(5・6)+大文字符6+C(1・4)+つなぎ符(3・6)+シャープ    外)外字符(5・6)+大文字符6+C(1・4)+つなぎ符(3・6)大文字符6+Sharp 2.解説文等でアルファベットで記されているとき  C1 外字符(5・6)+大文字符6+数符(3・4・5・6・)+1 (1)   ut−1 外字符+UT+(3・5)+数符1   b′ 外字符+b+(3・6)   b″ 外字符+b+(3・6)+(3・6) 専門的な解説文等で、上のように音域を表すために、音名のアルファベットを大文字、小文字、またそれに数字等を付けて記している場合がある。   その用い方は、言語や本によっても異なるので注意が必要である。